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      ♪              
     鏡             〜 餅はやっぱり餅屋 〜
      0000                林  餅 店
     000も000                             
    000000                   ☆Magagine ID:0000020289
    0000000000         ☆2000/9/25号 (不定期)
    000000ち000000        ☆Vol.7

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 ★「餅はやっぱり餅屋」は、お餅好きのあなたにお送りするお餅だよりです。
  登録された方にご送付しています。


★★‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ご挨拶‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★

  「林 餅店」と申します。
 お餅のことは、「何でもござれ」の、お店を、目指しています。
  各地の珍しいお餅に関する情報、四季折々のお餅便りなど、皆さんからの
  お便りをいただきながら、福井のニュースとともに発信していきたいと
  思っております。今後ともお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。


★★★‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥菜単<メニュー>‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★


 ★お知らせ  :★  メーリングリスト「餅はやっぱり餅屋」開設

           
 ★季節のお餅 :★ おはぎ

         ★栗赤飯
                    
         ★ 栗赤飯まんじゅう
 

 ★お彼岸  渡辺 佳男氏の寄稿文

       ★祖先をうやまい自然をたたえる「お彼岸」
       ★先祖供養
       ★諺「彼岸が来れば団子を思う」
       ★消えてゆく民俗の伝承
   
        

★★★★‥‥‥‥‥‥‥‥‥お知らせ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★★

 ★  メーリングリスト「餅はやっぱり餅屋」開設

   8月2日より、同じタイトルで、メーリングリスト「餅はやっぱり
   餅屋」を開設しました。
    
   このメールマガジンのご購読者も300名を超えていますが、最近
   当店のHPの掲示板経由で、いろんな質問をされる方が増えてきました。
   これを機会に、メーリングリスト(ML)に登録されたメンバーの間で
   お餅についてのいろんな事を楽しく話し合える場所を作る目的で開設し
   ました。
   
   詳しくは: http://www.fukumochi.com/mochiml/ml.htm

   上記ページをご覧下さい。
   私共夫婦がニックネーム、じいさん、ばあさんで登場します。
   ご登録いただいたメンバーの方も登録のニックネームで、
   ご質問、発言等をして下さい。
   MLの面白さは一つのことから始まって、その輪がどんどん広がる
   ところにあると思います。
   皆さん是非ご参加下さい。お待ちいたしております。
   
   
   

★★★★★‥‥‥‥‥‥‥‥季節の餅‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★★★

 ★ おはぎ

   お彼岸と言えば「ぼた餅」「おはぎ」
   手作りおはぎをご用意しました。

   http://www.fukumochi.com/osusume/keiro.higan.htm

 ★ 栗赤飯

   栗の季節が到来、期間限定で栗赤飯が登場!
   HPに9月27日までにアップします。

 ★ 栗赤飯まんじゅう
 
   栗赤飯を包んだ栗赤飯まんじゅう、、期間限定で9月30日
   いよいよ登場します。  


        

★★★★★★★‥‥‥‥‥‥‥‥お餅豆知識‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★★★★★

 ★お彼岸

 ★祖先をうやまい自然をたたえる「お彼岸」

 お彼岸については「彼岸七日に団子七つ」の項で、いささか触れましたが、
 秋のお彼岸について書いてみたいと思います。
 「暑さ寒さは彼岸まで」の慣用句は、よく使われている言葉ですが、長く寒さ
 をひきずる春の彼岸とは違って、秋の場合は、暑さも和らぎ彼岸ともなります
 と清涼な感じがいたします。
 ことに、九月に入ってからも熱帯夜が続いた今年の暑さも、この稿を書いてい
 ます十八日頃は漸く涼しくなってきました。

 単に、彼岸といえば春の彼岸。秋の場合、

  秋彼岸駅にわずかの人溜まり  清澄

 この句のように、「秋彼岸」と使い分けをするのが、歳時記の世界ということ
 になります。

 使い分けといいますと「国民の祝日に関する法律」がありますが、つぎのよう
 になります。

 「春分の日」 〈自然をたたえ、生物をいつくしむ日〉
 「秋分の日」 〈祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ日〉

 「春分の日」には春雪が舞うなど、寒い日がありますが、しかし、「春の日と
 親類の金持ちはくれる(暮れる)ようでくれん」の諺にもありますように、
 日足も伸びて春の気配が山野に満ちてきます。

 
 籾の種付けに始まり、苗代の準備、播種、苗取り、そして、田植と、一連の農
 作業のプロセスのスタートです。
 太陽の恵みと、冬の眠りから覚めた人々の営みが「春分の日」の頃から始まる
 のです。

 これに対して、「秋分の日」は、季節的にも一年の黄昏といった感じで、春と
 は違って諺も「秋の日と娘の子はくれんようでくれる」ということになります。
 無論、春分の農事始めの祈りに対して、秋分は収穫への感謝と、共通の稲作
 儀礼の世界がありますが、季節的な趣からすれば、秋分の日の方が、
 「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」にふさわしい季節感があります。

 彼岸が冬夏ではなくて、仲春、仲秋を選んだ理由としては、彼岸中日の落日は
 真西に沈むために、その方角に向かって、礼拝すれば、西方浄土に救われること
 疑いあるべからずの、浄土信仰と、「春分、秋分には昼と夜が同じ長さだから、
 悟りの内容である中道にふさわしく、また、寒からず暑からず、仏道修行に
 便利」ー蓮如御文ーとの説があります。
 また、金剛般若経に曰く「生死の世界を此岸、涅槃の世界を彼岸と称し、その
 間を流れる煩悩の世界を中流とす」。

    平凡社刊「歳時の博物誌」五十嵐謙吉著
  角川選書「宗教歳時記」五来重緒     


 ★先祖供養

 日本人にとって「先祖」というのは、ちょうど西欧人にとっての「神」にあた
 るのではないかと思う。日本人は古くから先祖を祀り、供養することを重視し
 てきた。というのも先祖は子孫の幸福を見守り、共同体の繁栄を約束するもの
 と信じられてきたからである。しかしながら、ひとたびその祭りと供養を怠る
 ときは、先祖は子孫に対して苦難をもたらすものとして怖れられた。
 祟りをなすとみなされたのである。
 このように先祖には、人々の生活に祟りをなす面と、人々の幸福を守護する面
 という、二重の働きがあると信じられてきた。(後略)
   国立暦央博物館教授 山折哲雄著
   「祖先崇拝と日本人」「人世祭事」
     刊ーミサワホーム総合研究所

 このことに関しては、拙稿「節供は大事な儀式」の中で、民族学の宮田登著
 「冠婚葬祭」からの引用文「祭」の中にも出てきます。
 
 ○祭―神霊を迎え祀る意味であり、この場合は、葬のあと死霊を怨霊化させな
  いように、丁重な供養を行うこと、死霊の祖霊化という目的のために、祖先
  祭祀の儀式。

  私たちは日頃何となく、家族が多少出過ぎたことをしても、先祖が罰など当
 てるはずはないと思っています。しかし、これなども、折目節目、神仏に感謝
 し、先祖供養を怠らない前提があってのことで、神仏に顔をそむけ、先祖供養
 に懈怠(けたい)があっては、先祖といえど、祟りをなし、または怨霊化する
 のか、どうか、いかがでしょうか。



 ★諺「彼岸が来れば団子を思う」

 福井県出身の作家、中野重治が昭和十六年、三十九歳の折の日記に次の記事が
 あります。

 九月二十三日(火)彼岸中日也。朝よりくもり。卯女(うねめ)(娘)早くか
 ら起きてさわぐ。卯女をつれて松陰神社に行く。卯女手をうって礼拝す。吉田
 寅次郎の墓を拝み感動す。ぼた餅をつくる。午後ぼた餅のお客。また一同にて
 松陰神社に行く。ぼた餅うまし。 「敗戦前日記」より。

 彼岸の中日、世田谷の豪徳寺に住んでいた中野重治は幼い娘をつれて、吉田
 松陰をまつる松陰神社を訪れ礼拝する。転向とはいいながら、左翼作家と吉田
 松陰の不可思議な関係。
 以上、講談社刊「日録二十世紀」一九四一年の頃より

 古来、お彼岸には「ぼた餅」を作って、まずは神仏に供え、隣近所に配り、
 家族が賞味しました。

   ぼた餅の来べき空なり初時雨 一茶

 同じ「ぼた餅」でも、春は「牡丹餅」、秋は「お萩」と、季節感でもって表現
 していますが、一茶の句にもあるように。必ずしも厳密に区別したものでもな
 いようです。一説には、「ぼた餅」の上に白い砂糖をまぶしたことから牡丹の
 花の如しと「牡丹餅」。小豆の粒々を、萩の花に見立てての「お萩」の名がつ
 いたようでもあります。
 しかし、白砂糖など一茶の生きていた頃には見るべくもありませんから、この
 解釈はかなり後ということでしょう。


 寄稿者:

  渡辺 佳男氏
 あめこ 店主
 福井県武生市国府1−6−5
 TEL(0778)22-1272
 FAX(0778)22-1272


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