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餅はやっぱり餅屋(創刊号 Vol.1)

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      ♪              
     鏡          〜 餅はやっぱり餅屋 〜
      0000             林  餅 店
     000も000                             
    000000                   ☆Magagine ID:0000020289
    0000000000         ☆1999/10/25号 (不定期)
    000000ち000000        ☆創刊号 Vol.1
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 ☆「餅はやっぱり餅屋」は、お餅好きの方にお送りするる餅だよりです。
  登録された方にご送付しています。


★★‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ご挨拶‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★

  初めまして、「林 餅店」と申します。
 お餅のことは、「何でもござれ」の、お店を、目指しています。
  各地の珍しいお餅に関する情報、四季折々のお餅便りなど、皆さんからの
  お便りをいただきながら、福井のニュースとともに発信していきたいと
  思っております。今後ともお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。


★★★‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥菜単<メニュー>‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★

 ☆お知らせ  :ホームページをリニューアルしました。
         掲示板とプレゼントコーナーを新たに設けました。

 ☆季節のお餅 :お正月餅について
                  食の故事・・・

 ☆お餅豆知識 :こごめ餅
         カビがはえてしまったら・・・


★★★★‥‥‥‥‥‥‥‥‥お知らせ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★★
 
  10月20日ホームページをリニューアルしました。
  今度新たに掲示板を設置して、皆様からのご意見、ご感想をいただく
  コーナーを新設いたしました。ご自由にお書き込み下さい。
 また、プレゼント企画コーナーも設けてあります。
 
 http://www.cyber.fcci.or.jp/mcohi/index.html


★★★★★‥‥‥‥‥‥‥‥季節の餅‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★★★

 ★お正月餅
   皆様のところのお雑煮は味噌仕立てでしょうか、それとも醤油仕立てで
  しょうか福井は味噌圏と醤油圏との境目当たりでしょうか、醤油味付け、
  味噌味付けと家庭で違っています。中に入れるお餅も、丸餅、のし餅
  (角餅)と分かれますが、福井はどちらかと言えば丸餅が多い様です。
  ちなみに当店(4人家族)のお雑煮は昆布出しで、具は青かぶらのみの
  味噌仕立てのシンプルなものです。お椀によそった後に、花かつおを
  かけて食べます。
  
   最近のダイエットばやりで、あまりお餅も食べなくなりました。
  だけど、お正月はやっぱりお雑煮を食べて祝いたいものです。
  ここでお雑煮についての記事をご紹介します。

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  「雑煮 お国ぶりあれこれ」より抜粋      津村 節子(作家)
         四季八十彩 日本人の衣食住 (発行 日清製粉株式会社)
  
   婦人雑誌の新年号などに、各地のお雑煮が紹介されているが、それぞれの
  お国ぶりが窺えて面白い。
  例えば今手元にある雑誌の中から例を引くと、

   北海道のお雑煮は、かつおと昆布だし。具は新巻鮭、人参、馬鈴薯、白菜、
    キャベツ、すずこかいくら。餅は焼いた角餅。
  
   仙台は、焼いたはぜでだしをとり、具は人参、牛蒡、大根、薄焼き卵の
  千切り、笹かまぼこ、すずこ。餅は焼いた角餅。

   東京は、かつおと昆布だし、あるいは鶏のス−プ。具は人参、大根、里芋、
  車えび、鶏肉、小松菜、紅白のかまぼこ。餅は焼いた角餅。

   京都は、濃い昆布だし。具は八つ頭、大根、焼豆腐、牛蒡、花かつお。
  餅は丸餅で白味噌仕立て。

   金沢は、昆布だし。具は甘えび、鯛、黒豆、芹、結び昆布。餅は焼かない
  角餅。

   香川は、煮干しでとっただし。具は人参、大根、長葱、餅は餡入りの
  丸餅で、白味噌仕立て。

     長崎は、かつおと昆布だし。具は干あわび、干しなまこ、人参、くわい、
  塩鰤、生椎茸、鶏のささみ、ゆずの皮少々。餅は丸餅。

   いずれも色どりよく豪華である。
  だが、一般庶民の家庭で、果たしてこれだけの材料をそろえたものか
  どうか。
  雑誌や料理研究家が、なるべく各地の特色を出そうという意図で、
  創意を加えているものもあるのではないかという気がしないでもない。

   私は、福井市の生まれであることから、福井のお雑煮についての原稿依頼
  がしばしばあるが、残念ながら全く知らない。
  と言うのは、父は信州伊那の生まれ、
  母は埼玉県狭山の人。実家は絹織物業であったが、店の従業員も
  家事手伝いも父の郷里から採用していたから、家内には福井の人間は
  一人もいなかったからである。
  
   越前海岸は暖流と寒流がぶつかり合い、魚の種類が豊富な点では類を見ぬ
  ほどである。とりわけ身の締った冬の魚はおいしいから、越前雑煮、
  あるいは若狭雑煮と銘うって寒鰤や鯛、越前蟹、甘えび、岩海苔などを
  使えば、いかにも婦人雑誌向けのグラビアにはふさわしのだが、
  料理研究家ならぬ地元の人に聞くと、かつおと昆布のだしで、具は蕪、
  それに花がつおをたっぷりかけ、餅は丸餅で味噌仕立てという至極素朴な
  ものらしい。
  
   実家のお雑煮は、かつおと昆布だしで、具は鶏のささみ、かまぼこ、
  みつば。餅は焼いた角餅である。一般に東は角餅、西は丸餅が多く、
  福井は関西圏に入るが、両親とも角餅に固執していたようだ。

   日常の食卓には、越前蟹の雌の甲羅の中にいっぱい子を持ったせいこやうに、
  透き通るような弾力のあるいかの糸造り、甘く煮たほろほろとくずれる真子、
  若狭がれいの煮つけや一塩の生干しを焼いたものなどの福井料理が並べれ
  られたが、正月料理は住んでいる土地の習慣に従わず、自分たちの故郷の
  しきたりを守っていたことは面白い。

  ●津村 節子さんのご紹介
    福井市ご出身の芥川賞作家で福井県を題材にした作品を書き続けて
   おられます。
   11月4日、文化活動を通じ地域の発展や地域づくり貢献された方や団体
   に贈られる1999年度福井新聞文化賞を受賞されています。

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 福井県餅業組合連合会会長
 渡辺 佳男氏寄稿



             正月正月どこまで来た
             くるくる山の腰まで来た
             小豆餅 とち餅
             庭木のばいに乗って来た                 
                      ( 福井県今庄町広野)

   師走に入りますと、年の暮と申します。その年の暮れも二十五日を過ぎ
  ますと、あちら、こちらでお餅を搗(つ)く杵(きね)の音が聞こえて
  きます。家族そろって餅を搗く家、お餅屋さんに頼んで搗いてもらう人。

   それに、戦前までは曳(ひ)きづり餅といって、道具一式を大八車に乗せて、 
  餅搗きを請け負う季節労働のグループに頼む家もあり、正月前のあわただし
  い師走風景が思い出されます。
  
   男達は鉢巻き、女たちは姉さんかぶりもかいがいしく、家の中には早朝から
  餅米を蒸す香りがたちこめ、かけ声と杵の音に子供達の喚声も交じって、
  楽しい餅搗き風景。

     餅搗きし父の鼾声(かんせい) 家に満つ  三鬼

   餅を家で搗く日は二十八日が多く、古来、二十九日はクノモチといって
  搗くのを忌みきらいますが、世の中は考えようで、フクノモチで縁起が良い 
  からと二十九日を指定する人もあります。

   先ず、鏡餅から始め、雑煮餅、豆餅、えんどう餅、蓬餅と、とりどりの餅が
  モロブタに並びます。 
  最後の一臼は、つきあげといって、おろし餅や小豆餅に仕上げ、
  隣近所へ配ることも忘れません。

   餅に限らず、手造りの品を他の人々にも分けて食べることによって、
  人と人との深きえにしを大事にする習慣は、捨てがたい味があります。

   正月といえば餅。戦前、餅が搗けるか搗けないかが、歳の瀬を越せるか、
  越せないかの分かれ道となった程に、お餅は何としても大事なものでした。
  
   古来、日本の正月の原形は、年神様(歳徳神)という五穀の豊年を祈る
  神様が、遠くからお出ましになり、それと共に、年が改まると信じられて
  いました。

   鏡餅を、その家、その家のしきたりに従って飾りつけるのが、正月支度の
  第一だったのです。神様、佛様、さらには、竈(かまど)、厠、帳場、
  農具等々は申すに及ばず、牛や馬。
  
   正月三ヶ日は嫁が君と呼んだネズミにも、大黒様のお使いということで
  供えました。昔の日本人の素朴な真情が伺えて余りあります。

   さらに鏡餅は、婚礼のときにも婿鏡、嫁鏡となり、赤子の生まれたとき
  には孫鏡を作り、床に飾ったと文献に出てまいります。
  お鏡は神聖な食物として神仏に供えるだけでなく、大事な人にも贈って
  おります。

   結婚の時、仲人と婚家に鏡餅を届ける習俗は今も続いていますが、
  昔は、誕生の時の名付親とか、元服の烏帽子(えぼうし) 親には生涯、
  歳末には鏡餅を持っていったようです。

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  餅、飯、酒、五穀・・・食の故事・ことわざ・成句・パロディ傑作選

  い 亥(い)の子餅搗(つ)いた、繁昌せ、繁昌せ
  ろ 論より餅食え
  は 初日の光さしい出て四方に輝く鏡餅
  に 女房と米の飯はあかぬ
  ほ 牡丹餅(ぼたもち)の塩の過ぎたのと女の口の過ぎたのは取り返しが
    つかぬ
  へ 米寿、鳩(きゅう)寿、白寿、上寿、茶寿の長寿餅
  と 隣の餅も食ってみよ
  ち 提灯(ちょうちん)で餅を搗く
  り 粒々辛苦
  ぬ 濡れ手で粟
  る 留守に餅を焼く
  を 女は臼、男は杵
  わ 若水、若餅、若夫婦(わかみょうと)
  か 鏡餅の割れ多ければ豊年のしるし
  よ 齢(よわい)を延(の)ぶる歯がための餅
  た 大好きは雑煮、草餅、柏餅、盆のぼた餅、亥の子、寒餅
  れ 冷酒と親の意見は後からきく
  そ そこらの草も餅になる
  つ 搗いた餅より心もち
  ね 寝ていては牡丹餅食えぬ
  な 泣くも笑うも餅と酒
  ら 来年の果報は今年の稲で待つ
  む 娘と糯(もちごめ)は年の暮れに片づく
  う 生むぞとがんばる力餅
  ゐ いつも月夜に米の飯
  の 残り餅に福あり
  お 御神酒(おみき)上がらぬ神はない
  く 蔵にはたんと鏡餅
  や やき餅やくとて手を焼くな
  ま 枡(ます)で量(はか)って箕(み)でこぼす
  け 結婚したなら世帯餅
  ふ 古里や餅に搗きこむ春の雪
  こ 今度来た嫁、牡丹餅顔よ、黄粉(きなこ)つけたらなお可愛い
  ゑ えびす大黒、ほてい餅
  て 亭主と箸は丈夫がよい
  あ 新しき年の始めや鏡餅
  さ 三献の振舞(餅、酒、蕎麦)
  き 木に餅がなる
  ゆ 夢に牡丹餅
  め めし炊かば赤子泣くとも蓋とるな
  み 右や餅、左さかずき明けの春
  し 新婚三日夜(みやよ)の餅
  ゑ 絵に描いた餅
  ひ 彼岸七日に団子七つ
  も 餅は望月、兎が餅搗く
  せ 赤飯の南天は難を転じる
  す 酸(す)いも甘いも皆承知
  ん ん、と力んで餅を搗く


 渡辺 佳男氏
 あめこ 店主
 福井県武生市国府1−6−5
 TEL(0778)22-1272
 FAX(0778)22-1272

★★★★★★‥‥‥‥‥‥‥‥お餅豆知識‥‥‥‥‥‥‥‥‥★★★★★★ 
  


 ★ 歯の悪い方には小米(こごめ)餅がお勧めです。
  入れ歯の方は特にお餅が入れ歯にくっつき食べづらい様です。
  餅米にうるち米(ご飯米)を入れたものを小米餅と呼んでいます。
  歯にくっつきにくく、サクサクした歯触りになります。
  うるち米を混ぜる量によってサクサク感が変わります。

   お餅に付きものは「カビ」です。
  真空パックしたお餅でも、封を破り食べ残したお餅を、そのままにして
  おきますと、青カビや白カビが生えてしまうことがあります。
  真空パックをして、空気を抜き、脱酸素剤が入れてあっても、白カビが
  生える場合があります。
  カビ菌は温度が18℃以上になると、活動を始めます。
  真空パックをしてあっても、決して安心出来ません。
  お餅が残った場合は冷蔵庫か18℃以下の涼しいところにお餅を置くと
  安心です。

   鏡餅も鏡開きの前にカビが生えてしまう時があります。
  鏡餅の飾り付けをされる時、鏡餅の上、真ん中、下に「ワサオーロ」を
  はさんで置かれるとカビが生えにくくなります。
  ワサビには本来カビを生えさせない成分が含まれています。  
  ワサビから抽出した成分をセロハンに塗ったものです。
  一度お試し下さい。

 ★お正月餅にカビが生えてしまったら・・・
   お餅を捨てられる前に、カビの生えたお餅(鏡餅も)を水に1〜2晩
  漬けておきますと、カビが浮いてきます。これを取ってお餅をよく洗い
  ます。お餅もある程度軟らかくなりますので、焼いたり、煮たりすれば
  充分食べられます。
    また、ひび割れして食べにくい時は、水から上げて、細かく切って、
  かごに入れて天日干しをします。乾いてから、油で揚げたり、煎ったり
  すれば、家庭で作った「あられ」として召し上がれます。
  けっこうな味が楽しめます。

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このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。( http://www.mag2.com/ )
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★★★次号発行予定:12月中旬、とぼ餅を取り上げます。★★★
          
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 ☆電子メールマガジン「餅はやっぱり餅屋」1999/11/11
   発行元   :林  餅 店
  発行責任者 :林  徹 一
  まぐまぐID:0000020289
   Home Page: http://www.cyber.fcci.or.jp/mochi/index.html
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